「青い花」四巻感想 - ｐａｐａさんのまんが人生ごゆっくり。

まいどー。やっとこさ肉体労働から解放されたpapaどぅぇーす。もう絵の描き方なんか忘れたよ！今からリハビリするよ！とか思ってたら冬コミ落ちたらしいね。うがが。新しいイベントに参加するらしいですが、papaさんも参加しようかなー。あ、もちろん作品は予定通りで。
んで、先日購入した「青い花　四巻」の感想です。最初に書いておくと、papaさんはこれより前の巻は読んでおりません。アニメから、続きが読みたくなったので購入しました。ゴメンね。

Bianco e nero(白と黒)

私には珍しく技術論から入ります。つまりはそれほど技術的な面に驚いたから。本当はコマを引用したかったんだけど、引用の仕方が解らなかったので、引用ナシ。トホホ。

漫画を実際に読む前には、「画面が白い」とかの評判をネットで読んでいたので、失礼ながらあまり期待はしていなかったのですが、いや驚いた。まず目に付くのはカケアミの多用です。瞳の中までカケアミが入っている。背景や衣服の表現にも多用されています。また、そのカケアミの繊細なこと！一瞬カケアミが※印のように見えるんです！これはカケアミの「田」がセンターでキッチリ合わせられているということ。そこまで計算してカケアミをかけることがどれだけ困難か！また、普通のカケアミも使われていることから、「使い分け」をしてらっしゃるようです。すごい。お見事。四巻131pのハイソックスの足の遠近感(ここでもセンター合わせのカケアミ)をアミの濃淡で見せるところ。15ｐの樹木の表現など。これってもしかして、私が知らないだけでこういったハッチング（線を掛け合わせて中間調を表現するテク）をしているだけなんでしょうか？
また、背景の表現も素晴らしい。14ｐにあるコマの背景など、石積みや樹木のテクスチャー（質感・量感・マチエール）も表現されているように思えます。影になるところは黒く、光の当たる部分は白く飛ばす、まさにペン画の良いところが現れているようです。まぁ、ちょっとパースが狂ってて「だまし絵」になってるところも多いですが補って余りある感じがします。絵を描くということは光と影を描くことだ、といったのは誰だったでしょうか？忘れたけど、そんなセンスを感じます。

コマ運び

もいっちょ技術面を。コマ運びというかマンガとしての読ませ方がまた独特で上手だと思います。特に見せコマの構成が上手い。主人公のふみちゃんがあーちゃんに告白するシーンではふみちゃんは後ろ姿しか描かれていません。ふみちゃんがどういう表情で告白したか、見ていたのはあーちゃんだけ。読者にも見せてはくれません。（重なるようにあーちゃんの表情は見える）あああ、次が気になる！って気にさせられるじゃないですか！上手いなぁ、ホント。あとは「思い」を描く場面ではコマの中にセリフだけとか、上手いなぁ。あ、伝わりませんか？引用したかったなぁ。とほほ。

内容についてもちょっと

基本的には「百合物」と呼ばれる内容のマンガです。ガール・ミーツ・ガールってのがコピーにもなっているようですし。そんな感じです。ただ、ここで展開されるロマンスはリアル。(いや、papaさんは男性ですし同性愛者ではないのでワカランのですが)つまりは男女のロマンスとなんら変わりはない、ということ。ただ、世間の好奇の目があることとか、自分が同性愛者であることに目覚めるかどうか、とか障害はヘテロ(異性愛者。男女の恋愛者)に比べて多いですが。心の動きとかそんなに変わらないんでは無いでしょうか。（もちろん男女の差はあるでしょうけど）そのロマンス模様がヘテロ恋愛とかと同時に、思春期の物語として特別視されずに、描かれています。もちろん、障害（クラスメイトの偏見に満ちた会話とか）もキチンと物語に織り込まれていてリアリティを感じさせてくれます。作者は「マリア様がみてる」に影響されてこの作品を描き始めたらしいですが、まったく違うお話になっているのがフシギ。影響は「女子高」「お嬢様学校」ってくらいかな？女子高生に対する視点は「シンプルノットローファー」に近い醒めた目線があるのも不思議です。これが女性視点ってヤツなんでしょうか。ウラヤマ。

ついでにアニメも

よくできたお話でした。アニメのほうは「ふみちゃんの恋愛とそれをそっと支えてくれるあーちゃんのお話」になっていて、それはそれで完結しているんではないかな、と私は思いました。続編を望む声もあるようですが、これはこれで終わっておいてもいいんではないかと。てか、マンガとは別ストーリーとして、ここで終わったほうがキレイなんではないかなぁ。