どうすればいいのかな?

http://rakugaki256.blog47.fc2.com/blog-date-20090918.htmlあさぎさんの疑問にお答えしたくて。
>どうすれば絵は上手くなるのか思い悩んでまして
簡単にお答えしてしまえば「解りません」になってしまいますね。papaさんも絵が上手い人ではないので。上を見ればキリがない。かといって現状に満足するには圧倒的に画力が足りない。papaさんもそんな状態です。

上手い絵とは

これは以前にも書いた覚えがありますね。「イメージを表現しきれている絵」を上手い絵だとpapaさんは思っています。イメージを表現しきる為には、イメージを正確に掴んでいる必要がある。デッサンもクロッキーもその為の訓練だ、と以前にも書きました。だから、あさぎさんのやろうとしている「写真のスケッチ」も訓練としては間違っていない。的を得ている、と思います。写真をスケッチするとは「物の成り立ちを正確に掴む」訓練だと思います。普段、私達がなんとなく見ている日常を「絵を描く目」で見直すということ。日常を自分の線で描いていく、再構築していくということ。石積みの壁をどうやって表現していくのかということ。ゆれるスカートのひだをどうやって線にしていくのかということ。
長く続けていれば必ず絵を描く力になるのではないでしょうか。すぐには効果は見えないかもしれませんが。

マンガを描くということ

例えば、9月14日の絵。とても良い絵だと思います。安定した画力、ほぼ完成された線。その強弱。
例えば、9月13日のマンガ。フルカラーで配色が透明感があってとてもキレイです。ただ、各コマの絵のデッサン(練習のためのデッサンではない)が崩れ気味になっていますね。ここで悩んでいるのかな、と思いました。
マンガを描くと、一枚の紙にいくつもの絵を描かなくてはならないので、普段一枚絵が描けても全体を通してみればデッサンが崩れていきやすいんです。これはpapaさんも悩むところで、画力をアップさせれば解決するのかどうか解りません。なにかコツがあるのかな、とか思っています。
あさぎさんも、9月12日とかの絵は大変上手くて、目立つデッサンの狂いもなく、ポーズも動きが描けているから、画力が低いてことはないだろうと思っているのです。これはもうマンガを描き続けるしかないのかな、とも思っています。これはマンガが一枚絵よりも難しいということではなく、もう条件が違うのかなぁと。papaさんもマンガを描くときは何度も見直して、裏返しちゃったりなんかして確認するのですが、崩れちゃってどうしようもなくなります。あんまりこだわってると描く気力が失せてしまうので、エイヤっと書き上げて後で後悔するんです。どうしたものか。
そんなpapaさんですが、マンガを描くときに一番注意しているのは画面全体の仕上がり、というかバランスです。どこにどの絵を置くか、枠線を引くのか引かないのか、どこをベタ面にして、どこを白く抜くのか。コマごとに描きこみ具合も変えます。抜くところは適度に抜いて、背景も描かなかったりします。そうすると全体の完成度が上がるような気がするのです。人物一人一人の完成度の問題ではなくなる。マンガとはそういうものではないでしょうか。

まだ見ぬ高みへ

もしかしたら、あさぎさんはそういう事を悩んでいるのでは無いのかもしれない。自分の絵をもっと高いところで完成させたいのかもしれない。それならば、一朝一夕にはできることではありません。今まで続けてこられたような努力に加えて、今始めようとしている新しい課題もこなさなくてはいけないのではないでしょうか。線をキレイにするにはクロッキーも必要でしょう。なにより枚数を描かなくてはいけないでしょう。そんなことはもうやってらっしゃるかもしれない。それを続けていくしかないでしょう。そして、そんなことはもう解ってらっしゃるのかもしれません。

表現するということ

余談ですが、絵を描く、マンガを描くということは「表現する」ということで、私達はそれを趣味なり生きるヨスガとしていますよね。もしも、自分のしたい表現がなんらかの事情で許されない、としたならばそれは「表現者としての死」を意味します。表現する意味は失われ、ただ生きるだけの存在になってしまう。私達の表現はpapaさんが生きてきた短い間にも、何度もその危機を迎えていました。(今も何度目かのその危機の只中にあります)なかにはヒドい思想に基づいた表現物もあるでしょうが、それさえも発表されることを閉ざされるべきではありません。ましてや、技術レベルで取捨されるものでもない。全ての表現物は自由に発表されるものです。
そして、創作物の権利は自然発生的に創作者本人にあります。これを「著作権」と呼びます。papaさんにも、誰にでもある権利です。あなたの作品はあなたの物てことです。

どこへ行こうか

papaさんはヘタクソでもマンガを描いていたいなと思っています。死ぬまでに代表作みたいな作品ができたらいいな、それまで修行かな?
あさぎさんはどうなりたいですか?いろいろ条件はあるでしょうが、できないことは少ないはずです。お互いの進む方向にゆっくり歩いていきましょうね。


また文章だけの更新、てのも気が引ける。過去の下絵でも晒しましょう。

パステルで仕上げる予定だった下絵。船乗りが落としたナイフを拾った人魚が、ナイフにキスする度に船乗りはナイフの事を思い出す、て絵です。森雅之さんのマンガから。