作品を創ると言う事、作品を見ると言う事。

まいどー、もうぼちぼち暖かくなるよ、と聞かされてから随分寒い日が続くなあと思ってる方も多いであろう
今日この頃、みなさまゴキゲンいかが?papaです。
描くことについては散々書いたような気がするけど、見ることについては書いてなかった気がするのでちょっと。

作品を見る力

創作物を見る、といったって「フツーに見れるわ、ボケ」とか言われそうですね。そうではなくて、作る人が見るという事について。
「どこを見て欲しいか解らないから書け」という意見をところどころで見るんですが、これ、どうなんでしょ?papaさんが作品にこういうコメント付けられたらがっくり落ち込むか、あきれ果てて無視するか、どっちかです。それは作品が心に届いてないか、読みきれていないかどっちかだから。批評することを舐めてかかってはいけません。批評することは、相手の作品に向かい合うと同時に、自分自身と向かい合うことです。特に自分でも創作をするならなおさら。相手の作品の意図を説明してもらわなければ正しく捉えられないということは、どういうことか考えてみれば解るはず。自分のレベルがその作品より低いか、まったく未知の作品かどちらかである、ということ。
本を読んで、解説までを読まなければ作品批評ができないと言っているに等しい。

意図を読み取る

どんな作品にも意図する「表現内容」があります。素敵な作品ならなおさら。小さな子供が描く絵などはそれが最も顕著に現れているはず。彼らは迷うことなく、技術などに捉われず、それだけを目標に描くから。そして、「絵を描く」「作品を創る」最終目標もそれのはず。技術が邪魔をして(イメージに技術が追いつかず)作品の意図が伝わってこないならば、それこそ指摘する事。技術はあるのに意図が伝わってこないならば、それこそ指摘する事。どちらも説明してもらって考える事ではありません。勘違いしてはいけない。指摘する事は自分と戦うこと。相手と自分とでせめぎ合ってお互いを高めること。逃げてはいけない。解らないならば指摘はできない。当たり前のことです。papaさんはなにも「素人は口出しすんじゃねぇよ」と言っているワケではありません。「解説しろとは失礼だろう」と言っています。
もちろん、作品は創作者のみを閲覧者に選択して作られるのではありません。「同じ創作者として」作品を見るのならば、というお話です。何をどうしたいのか、解らないならば素直に尋ねろ、ということ。失礼ですが解りません、と言うこと。それを説明しろというのはいわゆる「上から目線」です。創作する人に対して。見る、読み取る努力をまずしなさい、ということです。

読み取る力

語学と同じ事だと思うんです。絵を描き続けているからこそ、解ることがある。または、絵を描き続けていても、解らないこともある。それは「理解できない」ということ。当たり前のお話ですが、何故か創作物に対してだけは「理解できない物は解説があって当然」という考えが蔓延しているように思います。とんでもないお話で、英語を理解するためにはスペル以外にも、文化とか宗教とか習慣について知らなければ理解したとは言い難いのと同じこと。創作物を理解するには、それなりの知識が必要とされます。自分の知っている以上の事を理解できるはずがない。知りもしない創作者の心情を小馬鹿にしたような言論を、papaさんは許すことはできません。小理屈を並べる前に理解する努力を、勉強をしろ、と思います。だからこそ「意味の無い作品など無い」と言うのです。「読み取る力」のないことを他人のせいにしてはいけない。

批評するということの重さ

批評でいつも思い出すのが「やなせたかし」さんの批評でしょうか。「詩とメルヘン」の編集責任者でいらっしゃったころ、イラストコンテストの批評をしてらっしゃいました。基本的には褒めてくださるのですが、「品が無いね」と批評なさることがあって、ショックをうけたことがあります。papaさんがそう言われたら立ち直れない、と思います。「テクニックとか見せ方は上手いんだけど、君の絵には品が無いね」と言われるショックといったら!papaさんは作品を作る時には、いつもこの言葉が頭に浮かびます。絵の品とはいったいどういうことなんでしょうか。やなせたかしさんの作品にはそこはかとなく漂う「品」があるように思います。その方に言われるからこそ、ショックを受けるのです。
批評とはそういう重さを伴います。お気づきですか?もちろん、これは誰かに対する批判ではありません。お気楽に批評、批判、指摘、などと語る風潮に対する批判ではあります。自戒も込めて。
papaさんはあちらこちらのブログにコメントしますが、心がけていることはあります。まず、作者本人の邪魔にならない、心を折らない、しつこくならない、自分のレベルを超えた批評はしない、などです。イヤならイヤ、と言って頂ければコメントは控えます。コワくないよ、大丈夫。
言われない限りは自己判断で行動してます。返事がないのも返事のうち、とも思ってます。よろしく。キツい批判が欲しいなら、そう言って頂ければそれなりに解る範囲で。ただし、あなたが心が折れないならば。